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【ロコレポ】第7回 松野泰己RPGの最新作がここに!『CRIMSON SHROUD』ダイスロールと重厚な世界観を満喫

インサイド読者のみなさま、Here we go!ゲームライターのロココ試作型です。

任天堂 3DS
インサイド読者のみなさま、Here we go!ゲームライターのロココ試作型です。

第7回のロコレポは、レベルファイブが11月28日から配信しているニンテンドー3DSダウンロードソフト『CRIMSON SHROUD(クリムゾンシュラウド)』のプレイレポートをお届けします。

ゲームクリエイターの松野泰己さんがディレクションを担当した『CRIMSON SHROUD』は、5月31日に発売されたニンテンドー3DS用ゲームオムニバスソフト『GUILD01(ギルドゼロワン)』に収録された4タイトルの中の1本で、第6回のロコレポでご紹介した『レンタル武器屋 de オマッセ』と一緒にパッケージされているソフトになります。

松野さんといえば『タクティクスオウガ』『ベイグラントストーリー』『ファイナルファンタジーXII』など、多くのファンの支持を集める作品を手がけられた著名クリエイター。もちろん私もそのファンの中の一人で、『伝説のオウガバトル』で受けた衝撃はいまだに忘れられません。

■ロールプレイの原点に対するリスペクトが満載
『CRIMSON SHROUD』の特徴として、テーブルトークRPGをモチーフとした作品になっていることが挙げられます。

人探し・モノ探しのプロフェッショナルである「追跡者(チェイサー)」の主人公ジオークと仲間、敵モンスターも含めたキャラクターは、全て台座の上に乗ったフィギュアのように表現されています。マップの移動もシンボルマークを動かして行うので、ミニチュアで作られたダンジョンを進むような感覚を味わうことができます。

また、ストーリーや冒険の様子はテキストアドベンチャー形式で展開されるので、プレイヤーの想像力をヴィヴィッドに刺激してきます。さらに要所で登場する選択肢の成否はダイスロールシステムで決定するなど、テーブルトークRPGやゲームブック的な要素もあったりして、ロールプレイの原点と言える「キャラクターを演じる」ことの楽しさを存分に満喫することができます。

■松野泰己さんによる妥協のない世界観の構築は秀逸
本作がテキストアドベンチャー形式の手法を採用していることもあり、作品のボリュームに対するテキストの量は多く、松野さん独特の重厚な世界観を今までの作品以上に感じることができました。

イメージイラストとキャラクターデザインは『ファイナルファンタジータクティクス』などを手がけられたアートデザイナーの皆葉英夫さん、音楽はサウンドクリエイターの崎元仁さんが担当されており、松野さんが構築するファンタジーの世界観を美しく彩っています。

3D対応のグラフィックからフィギュアやダイスの質感が伝わってきて、懐かしいファンタジーRPGの記憶を蘇らせてくれます。またBGMも3DSのステレオスピーカーから迫力のあるサウンドを響かせてくれるので、「真紅の聖骸布(クリムゾンシュラウド)」にまつわる冒険の雰囲気を上質なものにしていると思います。

■難しいRPGは好きですか? 緊張感のある選択と戦闘がプレイヤーに迫る
戦闘はかなり難易度が高く、ひとつひとつの行動を考えないと勝利できないようになっています。もちろん、判断を間違えば全滅してしまうことも…。

また、バトルシステムだけでなく戦闘に至るまでの過程も状況がテキストによって説明され、「戦うのか、戦わないのか」の選択も含めて慎重な判断が求められるゲーム性が素晴らしいです。テンポの面では一般のRPGと比較してスローになりますが、本質的なRPGの楽しさを感じることができました。

■ダウンロード版には、新アイテムの追加とバランス調整も
今回配信されたダウンロードソフト版は『GUILD01』版から一部のアイテムが追加されているほか、バランス調整も施されているそうです。すでにプレイ済みの方もそうでない方も、新鮮な感覚で楽しめるのではないでしょうか。

■コンパクトながら、ロールプレイの魅力が凝縮した傑作
『CRIMSON SHROUD』。巷に溢れる「RPGっぽいゲーム」ではなくて、「本当の意味でのRPG(ロールプレイングゲーム)」を追求した作品だと思います。オムニバスソフトの中の1本、そしてダウンロードソフトとしての配信ということでRPGとしてはコンパクトなボリュームですが、その分、全体を通して妥協が全く見られない作りで、ゲームとしての完成度は極めて高いです。

松野さんが手がける作品群で特徴的な「ユニットによる部隊編成」「ジョブの系統的進化」「キャラクター固有の必殺技」といったシミュレーションRPGの根幹を成すシステムは『伝説のオウガバトル』『タクティクスオウガ』の時点で既に成熟の域に達していましたが、本作ではそのシステマティックな部分を少しそぎ落とし、RPG本来の魅力を重視したデザインになっていると思います。

個人的には、久しぶりに「何周でもクリアしたい!」と思えるRPGに出会うことができました。松野泰己さんというゲームマスターの上質なシナリオとロールプレイを楽しむことができるテーブルトークRPG風の作品として、ぜひプレイしてみてください。

『CRIMSON SHROUD(クリムゾンシュラウド)』は、好評配信中で価格は800円(税込)です。

(C) 2012 LEVEL-5 Inc.


【ロコレポ】 by ロココ試作型
INSIDEのゲームライターが3DSを中心に色々なソフトをプレイして、その魅力を伝える連載。RPGの魅力に目覚めたのは、ファミコン版『ウィザードリィ』。好みのゲームな場合にテンション上がり過ぎるのは許して…。
Twitter:@Rococo_TestType
《ロココ試作型》
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