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死んで体で覚えろ!Wii Uで実現するサバイバルホラー『ゾンビU』プレイインプレッション

12月8日にいよいよ日本でも発売されるWii U。11本のローンチソフトが発表されていますが、その中でも完全オリジナルタイトルとして注目を集めているのが『ゾンビU』。フランスの大手パブリッシャー、ユービーソフトによる異色サバイバルホラーです。

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12月8日にいよいよ日本でも発売されるWii U。11本のローンチソフトが発表されていますが、その中でも完全オリジナルタイトルとして注目を集めているのが『ゾンビU』。フランスの大手パブリッシャー、ユービーソフトによる異色サバイバルホラーです。

ゲームの舞台はゾンビであふれかえる現代のロンドン。プレイヤーは数少ない生き残りの一般市民として、ロンドンからの脱出をめざします。地下鉄メトロやテムズ川、バッキンガム宮殿といった実在の風景でゲームが展開されます。

2012年、ロンドン。

プレイヤーが荒廃した街の通りで眼を覚ます。
あたりには死体とゾンビ。どこからか無線の声が聞こえてくる。
「こちらプレッパー、誰か聞こえたら応答してくれ」 
その声に導かれることになる…

プレイヤーは謎の声の主プレッパーの指示を聞きながら
このゾンビ大発生の謎に迫っていく…


ゲームシステムはホラー風味のFPSですが、残酷シーンやショッキングな演出は控えめで、探索要素に力が入れられています。特にWii U GamePadをフル活用しての遊びは本作ならではで、二画面を使い分けながら遊ぶ感覚が十二分に味わえるでしょう。

また、非同期によって展開するオンライン要素もユニーク。ゲーム内でフレンドが死亡すると、その情報がプレイヤーに送られ、自分のゲーム内でゾンビとして登場します。フレンドとマップ上でメッセージを残しあうなども可能です。

今回筆者は発売前に製品版と同じゲームを数時間プレイする機会に恵まれました。もっとも、キャンペーンモードのチュートリアルと冒頭ステージをプレイしたのみなので、とても全容がつかめたとは言えませんが、ちょっとした感想をレポートしてみます。

■地下鉄内のチュートリアルからスタート

ゲームを始めると、そこはロンドンの荒廃した裏路地でした。あたりには死体が散乱し、ゾンビと化した人間がさまよい歩いています。その後、どこからか聞こえてきた、フレッパーと名乗る無線の声に導かれ、地下鉄の駅に逃げ込むことに。中には隠れ家があり、ここを起点に生き延びる術を学んでいきます・・・。

こんなふうに、ゲームはまず地下鉄構内のチュートリアルからスタート。移動や攻撃、アイテムの使い方などを学んでいきます。通常のFPSに加えて、Wii U GamePadでの操作が加わっているため、一見すると難しそうな印象を受けますが、キーアサインは一般的なFPS準拠。加えてコントローラ上の液晶パネルでマップが確認できるのが便利です。

またゲームが進むと、マップ上でゾンビのいる地点が索敵できるようになるため、コントローラとテレビ画面で視線を往復させることになります。時にはWii U GamePadで部屋の中をスキャンしたり、道具を使って鍵を開けたり、板きれを使って扉をロックし、バリゲードを作ったりすることも。さらにゲームが進むと、スナイパーライフルの照準をWii U GamePadの液晶画面でつけることも可能になります。

ただし、液晶画面に気を取られるあまり、目の前にゾンビが迫っても気がつかないこともしばしば。あわててドッキリ、なんてことが何度もありました。総じて、この視線の往復がサバイバルホラーという題材に良く適しています。

■一度死んでもゾンビになって復活!?

一通り構内の探索が終わると、いよいよゲームが地上へと展開します。まずはフレッパーからの指示で、ブリックレーンマーケットのスーパーの脇に設置された監視カメラを修理することに。地下鉄の入り口から外に出ると、そこがブリックレーンマーケットです。

こんな風にゲームは、地下鉄の隠れ家とロンドンの市街地を往復しながら進行します。隠れ家では体力の回復やアイテムの整理、武器のカスタマイズなどが可能で、いわばプレイヤーの活動拠点。これに対して各ステージではさまざまなミッションが進行します。また、一度あるステージに到達すると、二回目からはマンホールを通って、マップ上から直接ショートカットで移動できるようになります。

逆にゲーム中で体力がゼロになったり、ゾンビに噛まれてしまうと、ゲームオーバー。再び隠れ家に戻って、別の一般人を操作し、続きに挑むことになります。

このとき、これまで集めたアイテム類は、一時的に失ってしまう点がユニーク。アイテムを取り戻すには自分が死んだ場所まで進み、ゾンビとなった前のキャラクターと戦って、勝ち取らなければなりません。この「死んだプレイヤーキャラクターが敵となって襲ってくる」というシステムが、本作の大きな特徴となっています。ゾンビに噛まれたらゾンビになるというゾンビ映画のセオリーが、うまく組み込まれました。

■ゾンビを倒すと武器がレベルアップ

さて、話を元に戻してマップを見ながらスーパーを探すと、目の前にゾンビが登場しました。今回のミッションはゾンビを倒すことではないので、別に攻撃しても、やりすごしてもいいのですが、一本道を通せんぼするように立っています。これは攻撃せざるを得ない・・・ということで、打撃武器のクリケット・バットを構え、近寄っていきました。

なお本作ではLトリガーで選択した武器をかまえ、Rトリガーで攻撃するシステムになっています。慎重に間合いをとって、打つべし、打つべし、打つべし! 数回殴ったところでゾンビが地上に倒れるので、とどめの一撃をお見舞いします。ここでしっかりとどめを刺さないと、再び起き上がって攻撃してくるので気をつけてください。

息の根をとめたら、ゾンビの持ち物をあさってアイテム類を回収しましょう。銃弾と体力の回復キットを持っていたので、さっそくもらっておくことにします。アイテム類の整理はWii U GamePadのタッチパネルでできるので、スムーズです。

その後、Wii U GamePadのマップを見ながらステージを探索していくと、建物の脇にそれらしい箱がありました。ここでWii U GamePadをテレビモニタに向け、箱をスキャンすると、それが目当ての監視カメラであることが判明。液晶上のボタンを長押しすると、みごと一つ目の監視カメラの復旧に成功しました。

こんな風にステージ上では、ミッションの達成を念頭に置きながら、ゾンビを倒し、アイテムを回収しながら進んでいきます。武器には打撃武器と銃器、狙撃武器(クロスボウやスナイパーライフルなど)があり、一定以上のゾンビを倒すと「火力」「速度」「範囲」「装弾」の性能を、それぞれアップできます。アップグレードアイテムで武器のカスタマイズも可能です。

■戦うか避けるか、それが問題だ

ただですね、こんな風に殴って倒してアイテムをゲットして成長するという、いわゆるハックアンドスラッシュなパワープレイが推奨されているのかというと、さにあらず。できるだけ戦闘は避けて通る方が賢明かもしれません。実際、このあと小一時間プレイして、山のように死んだ結果、そんな風に思うようになりました。

まずサバイバルホラーのお約束で、武器には残弾制限があり、これがけっこう厳しい目です。打撃武器は残弾制限がありませんが、一回ごとのモーションが大きいため、うっかり空振りすると隙だらけになるのが難点。一度に複数のゾンビを殴ることも難しいので、集団で囲まれると、かなりの確率で死を意味します。ゾンビにかみつかれた際に、レバーやボタンの連打で脱出する仕様もありません。問答無用で即、ゲームオーバーです。

また、ゾンビに噛まれるとゾンビになる。つまり、うっかり変な場所で死んでしまうと、必ずゾンビに遭遇することになります。下手をすると同じ場所で何度も死亡してしまい、ゾンビが大量発生して、にっちもさっちもいかなくなる恐れがあります。特にマンホールの出口付近や、見通しの悪い小道などでは注意が必要です。後から来る自分に迷惑がかからないように、死ぬときはひっそり死にましょう。そのためにも、無駄な戦闘で命を落とすリスクは減らすことが肝心です。

そして最後に、慌てて操作するとタッチパネルでの操作を間違いやすいんですよ。ほら、物理ボタンと違って押した感触に乏しいから。銃弾が切れた!→クリケット・バットに持ち替え→操作ミス・・・この繰り返しで何度、新しいゾンビを生み出してしまったことか。もちろん、この適度な操作性の悪さがホラーという題材によく適しているので、それはそれで歓迎なんですが、でもやっぱり操作ミスで死ぬのは嫌ですよね。

ただし、ある程度ゾンビを倒しながら武器のスキルアップを図っていかなければ、後半で行き詰まるのは明らか。しかし戦闘にはリスクがつきものなのも、これまた明らか。このジレンマをいかに解決し、リスクコントロールをしていくか・・・という点が、このゲームのキモであるように感じます。ま、それがホントかどうかは、実際にプレーして確かめてください。

■非同期オンラインでフレンドを感じよう

ちなみにシングルプレイのキャンペーンモードでは、初心者・中級者向けの「ノーマルモード」と、上級者向けの「サバイバルモード」が選べます。ノーマルモードでは、初心者向けの「チキン」と、中級者向けの「スタンダード」があり、ゾンビの強さなどが異なります。「サバイバルモード」では、ゲームオーバーになるとセーブデータが削除され、初めからやりなおしになるので、究極のサバイバルが体験可能。もっともノーマルモードでもかなり手強いので、最初は背伸びをせずに、チキンを選ぶのも一つの手です。

また当日は他にユービーアイソフトの体験会で披露されたデモ版もプレイできました。こちらはバッキンガム宮殿に向けて広場を進むという、正味15分間の内容で、最初からライフルなどの強力な武器や、ゾンビの気をそらせる発煙筒などのアイテムも使用可能。途中で重機関銃を撃ちまくるシーンなどもあり、バラエティに富んだゲームプレイが楽しめました。本編でも同じようなフィーチャーが存在するのか期待したいところです。

このほか、当日は体験できませんでしたが、非同期オンラインについても簡単に紹介しておきましょう。これは冒頭にも記したとおり、オンライン上で一緒にゲームをプレイするのではなく、プレイヤー同士が間接的に情報を共有できる遊び方のこと。ゲーム中に手に入れられるスプレー缶を使うと、フィールドの壁や地面に、あらかじめ登録しておいたフレンドに向けてメッセージが残せます。

またフレンドがゲームオーバーになるとお知らせが届き、ゾンビとなったプレイヤーが他のゲームにも出現します。倒すとフレンドの持っていたアイテムを入手できるので、情け容赦なく入手合戦がおきることも。逆に自分がゾンビになると、フレンドのゲーム内に登場してしまいます。フレンド同士を間接的に殺し合えるというのは、ちょっと新しい体験だといえそうです。

■「また一人死んだか」この声を聞くために今日もゾンビに!?

最後にまったくのおまけですが、本作にはWii U GamePadの内蔵カメラでプレイヤーの顔写真をとり、ゾンビ風に加工して写真を撮れるフィーチャーが入っています。撮った写真はフレンド間で交換可能で、これがけっこうリアルな写真が作れるんですよ! ぜひ一度チェックしてみてください。

というわけで、ゾンビといえばホラーな中にも、どこか笑いの要素がある点が魅力ですが、この魅力が良く伝わってくるゲームとなっています。プレイヤーキャラクターにも一人ひとり、元軍人とかスーパーの店員とか、簡単なプロフィールがつけられており、初期装備が異なるのもおもしろい試みです。

なにより、プレイヤーを声で誘導する、影の主役ともいえるフレッパーの存在が良い味を出しています。はじめのうちは「また一人死んだ」などと、さんざんボヤかれたり、冷たいコメントを投げかけられるかと思いますが、そのうち快感になってきますから! どんどん死んで、どんどんボヤかれてみてください。
《小野憲史》
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