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『FFVI』のオペラシーンをバッキバキのロックアレンジに!植松氏率いるEBPが「ヴァナフェス2012」参戦

スクウェア・エニックスは、『ファイナルファンタジーXI』10周年記念として「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」を開催しました。

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スクウェア・エニックスは、『ファイナルファンタジーXI』10周年記念として「A DECADE OF FINAL FANTASY XI VANA★FEST2012」を開催しました。

本イベントでは、同作のサウンドを担当した水田直志氏、谷岡久美氏、植松伸夫氏それぞれのプロデュースによるライブステージが行われており、植松氏は2日目に「アースバウンド・パパス(EARTHBOUND PAPAS、略してアーパパ、またはEBP)」として登壇したのでレポートをお贈ります。

エキゾチックな衣装を身に纏った植松伸夫(Key)、成田勤(Key&Gt)、弘田佳孝(Ba)、羽入田新(Dr)、岡宮道生(Gt)らが位置につくのを見守っていると、それに続きCHiCO from ACE、馬場宏美、佐々井康雄、遠藤フビトのボーカル隊もやってきた!

弘田さんの規則的で細やかなベースの刻みが始まり、それにラテン語の歌声が乗ってくる。『FFVIII』の「Liberi Fatali」である。途中の間奏で遠藤さんから「ヨーコハマー!」と掛け声が向けられると、お客さんも「Fooo!」と応えるノリのよさ。会場も縦揺れや手拍子でだいぶ暑くなってきた。「Liberi Fatali」の特徴的なラスト、シンセの「ジャジャジャジャン!」が響き終わると羽生田さんによるシンバルが4回大きく鳴り、そのまま『FFVII』の「再臨:片翼の天使」がスタート。岡宮さんのギターソロには相変わらずみな釘付け、まだ2曲とは思えないテンションである。

「セフィロス!」のコーラスが終わると、間髪入れず植松氏から「ありがとー!」が漏れた。ボーカル隊の紹介をしたあと「スクウェア・エニックスを退社してからずいぶんと立ちますが、『FFXI』10周年のイベントに呼んでもらえて嬉しい」と語った植松氏。今回『FfXI』の曲をやってほしいと言われたが、リハーサルができずに今回1曲になったと明かした場面ではお客さんもドッと笑っていた。

後半は『FFXI』から「Distant Worlds」。植松さんと成田さんのツインシンセが掛け合い、澄み切った空間が広がっていく。この「Distant Worlds」は追加ディスク『プロマシアの呪縛』で実装されたミッションのエンディングテーマ。それはそれはもうめっちゃ長いミッションで、途中までミッションをクリアしておけば冒険にそれほど支障はないものの、完全クリアを目指した多くのプレイヤーはそもそも人を集めることや統率に苦労したことだろう。だけど、耳とか指輪とか、ほしいし。いろいろ思い出していたが岡宮さんの歌うギターソロが耳に届くと、この曲を初めてゲーム内で聞いた時、達成感とか感動よりも「歌!?」とそっちに驚いてLSメンバーと会話していたことを思い出す。

その次に続いたのは『FFX』より『シーモアバトル』。変拍子のリズムに独特の緊張感が生まれる楽曲で、PRESS席であっても私の前にいたすべての記者がカメラ片手に拍にノっていたのが印象的だった。すべてのセクションによる複雑な掛け合いが見事に成功し最後まで駆け抜けたが、植松氏は「久々にやったから緊張しちゃった!」と笑っていた。

エンディングは『FFVI』より「マリアとドラクゥ」。CDに入っているカットバージョンではなく、ドラクゥとラルフの決闘シーンも入った完全版が演奏された。ボーカル隊もオペラ形式でそれぞれの登場人物を演じながら出たり入ったり。しかし、バックで流れているのはバッキバキのロック。「決闘だ!」のあとの“バトルがやってくる凄み感”はこのアレンジならでは。思わず興奮して声が漏れているお客さんもいた。

40分にわたる濃密なステージは大きな拍手に包まれ終了となった。今回、物販ブースではEBPのCD250枚がすべて完売。EBPの活動は年末のハワイとテキサス公演が控えており、日本での公演はこの日が最後とのこと。しかしながら、新アルバムを製作中だそうだ。

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《きゃんこ》
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