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【E3 2012】レトロゲームがずらり並んだE3名物ビンテージコーナーを突撃取材!

E3名物のビンテージゲームコーナー。今年もウエストホールの片隅で多くの来場者を集めていました。詳しい説明はおいといて、とりあえず写真を見てもらえれば、そのコレクションの充実ぶりがわかるというものではないでしょうか? 

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主催者の1人、ジョン・サンチュリー氏
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E3名物のビンテージゲームコーナー。今年もウエストホールの片隅で多くの来場者を集めていました。詳しい説明はおいといて、とりあえず写真を見てもらえれば、そのコレクションの充実ぶりがわかるというものではないでしょうか? 

主催者の1人、ジョン・サンチュリー氏


古くは家庭用ゲーム機の元祖といわれるオデッセイ(の外箱)から、アタリ2600や高速船などの80年代ゲーム機群。んでもってファミコンやマスターシステムの業務機などまで多種多様。他にも攻略本や関連書籍、ワッペン類(こういうのアメリカ人は好きですね!)、電子ゲーム&携帯ゲーム機などがずらり。

また、ブースの周辺には80年代アーケード筐体が並び、実際にプレイすることもできました。やっぱり、ちゃんと実機で遊べるって素晴らしいですよね。

実はこのビンテージゲームコーナー、2004年からE3で毎年出展されているんですが、ずーっと主催者が気になってました。今回偶然にも主催団体の「ビデオゲームヒストリーミュージアム」(http://vghmuseum.org/news.shtml)についてインタビューできましたので、紹介しましょう。

同団体は2011年にジョン・ハーディ氏、シーン・ケリー氏、ジョン・サンチュリー氏によって設立された非営利団体。アメリカにはビンテージゲームの祭典として、毎年8月にラスベガスで開催されるクラシックゲーミングエキスポというイベントがあるんですが、3名ともこの運営スタッフだったそうです。

さらに経歴を深掘りすると、シカゴとニューヨークでゲームの小売店を営んでいたんだとか。その時の膨大なコレクションが現在の母体となりました。ちなみに設立資金の3万ドルは今をときめくキックスターター(クラウドファンディング)で集めたんだとか。全世界のビンテージゲーム好きの資金援助を得て団体を設立。いや、ちょっと良い話ですよね。

同団体にあるコレクションはゲームハード&ソフト、開発ドキュメント、攻略本、関連グッズなどを含めると2万点以上。現在は活動拠点をシリコンバレーに移していますが、常設の博物館などはなく、全米各地のイベントを回ってはブース出展しているそうです。

主な出展イベントはE3、ペニーアーケード、PAX、DICE Expo、そしてクラシックゲーミングエキスポなど。中でも最大のブースを構えるのはクラシックゲーミングエキスポで、E3に出展されているモノはごく一部にすぎないとか。そりゃ2万点ですからね。いやー、みてみたいなあ。

すごいなあと素直に思うのは、開発側としっかり連携をとっているところ。E3ブース出展もGearbox Software(セガ『Aliens: Colonial Marines』開発スタジオ)のスポンサードで出展されたんだそうです。アドバイザリーボードにも、業界人に加わってもらっているんだとか。いや、ちょっと羨ましいですね。

というのも日本だと、いまいちゲームのアーカイブ(保存収集研究など)が、社会的に盛り上がらないんですよね。そんな古いゲームを保存収集して、何の価値があるんだ、なんて真顔で言われちゃったりします。いわんや企業が活動をスポンサードするなんて、とてもとても。このあたりの懐の深さがアメリカならではでしょうか。

ちなみに日本でも国会図書館がゲームソフトの収集保存を行っているんですよ。もっともソフトだけでハードは集めていないという片手落ち状態なんですが。とはいえ、これ税金ですからね。納品率も60%程度に留まっているとのことなので、ゲームパブリッシャーの皆様はぜひ、販売と同時に国会図書館に納品をお願いします、はい。

いや、ホントいえば出版物と同じように、ハードメーカーがソフトを製造した時点で自動的に一本ずつ、納品されるようになっていれば良いだけの話だとは思うんですが・・・。

閑話休題。いま、こうしたゲームの保存収集や、ゲームを文化的な尺度から再評価する試みは、世界中で進行中です。あの米スミソニアン美術博物館も企画展「The Art of Video Games」を開催中(http://americanart.si.edu/exhibitions/archive/2012/games/)。でもどこも得手不得手があるんですよ。ビデオゲームヒストリーミュージアムのコレクションも、アメリカで発売されたゲームが中心とのことでしたからね。

ポイントは世界中のゲーム資料が一箇所に集まった究極のアーカイブを作ることではないはず。むしろ、それぞれがリストを作って共有し、何処に何が保存されているかを誰もが確認できて、可能なら相互に活用できるようにすることでしょう。なんだか動物園の絶滅保護種リストみたいになってきましたが、考え方は同じはずですよね。

ちなみにインタビューに協力してくれたジョン・サンチュリー氏も「ぜひお互いに協力していきましょう」と呼びかけていましたよ。過去に世界中で発売されたゲームの全リスト(できればYoutubeなどへの動画リンク付き)、見てみたいなあ。
《小野憲史》
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