今回インサイドでは京都にあるジュピターにお伺いし、中山社長や開発スタッフにお話を伺いました。
第2回は『ポケモンピンボール』に振動カートリッジが搭載されたお話などについて訊きます。
―――『ポケモンピンボール』と言えば振動カートリッジですよね。どうしてゲームボーイで振動を採用したいと考えたのですか
中山:丁度ニンテンドウ64で振動パックが発売されており、これは面白い仕組みだと思っていました。これをゲームボーイでやったら面白そうと思い、任天堂さんへ相談に行ったんです。
最初は「接触部分で無理や」と言われたのですが、開発部の方が「一度試してみてもいいんじゃない?」と言ってくれまして、実験してくれたんです。実験してみたら「意外と大丈夫」という話になりました。
(「振動パック:N64ソフト『スターフォックス64』と同時発売。コントローラに装着すると、ゲーム内容にあわせてコントローラが振動)
ただ、最初の感触としては「ピンボール」ではなく、釣りゲームを作りたかったんです。
―――振動で釣りゲームですか
中山:魚を釣り上げる時に釣竿がブルブルするじゃないですか。これが振動ゲームにピッタリだなと思いまして。次の候補として「ピンボール」を考えていて、3つアイディアがありました。
―――3つ!?
中山:最初のアイディアが『メトロイド』でした。サムスはモーフボール状態に丸くなるのでピンボールにピッタリだなと。
次のアイディアが『ドンキーコング』、ドンキーが丸まって遊ぶピンボールゲームはどうかとアイディアを出しました。
そして一番最後に出てきたアイディアが『ポケモン』です。丁度その頃はポケモンがブームになっていて、モンスターボールをピンボールのボールに見立ててポケモンを捕まえるようなアイディアを考えました。
これをクリーチャーズの石原様に見せに行ったら「新しいギミックとして非常に楽しい」とおっしゃって下さり、「ポケモンの中でやってもいいね」という話が出ました。
(石原恒和:当時クリーチャーズ社長。現在は株式会社ポケモンの代表取締役社長)
カートリッジはゲームボーイに深く刺さっているので、ゲーム中に振動しても意外と大丈夫なのです。もし、振動で端子部分が接触不良になっていたら、振動カートリッジの採用は無理でしたね。
―――ジュピターが手掛けたピンボールゲームと言えば、『スパロボ』や『ソニック』などもありますよね
中山:ゲームボーイだけでなく、ゲームボーイアドバンスでも数本ピンボールゲームを手掛けました。『ポケモンピンボール』の続編もゲームボーイアドバンスで作りましたし。
またピンボールのゲームだけでなく、ゲームボーイカラーで『サクラ大戦GB』を2タイトル作りました。1作目『サクラ大戦GB 激・花組入隊!』はメディアファクトリーさんから、2作目『サクラ大戦GB2 サンダーボルト作戦』はセガさんからの発売で。
―――『サクラ大戦GB』と言えば、セガのゲーム機以外で初めて発売されたタイトルでしたよね
中山:セガのゲームが任天堂ハードで発売というのは当時異例なことだったと記憶しています。万歩計の『ポケットサクラ』も同時開発し、『サクラ大戦GB』と連動して遊ぶゲームを制作しました。これは『ポケットピカチュウカラー』を手掛けた事から繋がりましたね。
(次回に続きます)
次回は『キングダムハーツ チェイン・オブ・メモリーズ』や『すばらしきこのせかい』など、ゲームボーイアドバンスからニンテンドーDS向けタイトルのお話をお届けします。
編集部おすすめの記事
その他 アクセスランキング
-
片足のフレームが丸見え…「対戦相手のザクたち」も独特なデザイン!「ガンダム ジークアクス」第3話で活躍したメカ・キャラたちを一挙紹介
-
ジークアクスならぬ「ちいくあくす」!キャラデザ・竹さんが「ちいかわ」風になったマチュたちを投稿―ナガノ先生の“ガンダムレポ漫画”受け
-
ちいかわ初の大型体験型施設「ちいかわパーク」2025年東京にオープン!ハチワレ、うさぎ達による“お知らせ映像”も可愛い
-
ロケット団が極楽湯を占領!?『ポケモン』コラボで、ミュウツーの湯やスペシャルメニュー販売、『ポケカ』体験会などを実施
-
「ガンダム ジークアクス」で話題のシャア声優、実はこれまで意外な役も担当していた!演技も「実績と才気と野心あふれる若手将校ならば十分あり」と評価の声
-
平成ウルトラマン三部作をテーマにしたイベントが5月2日より大阪で開催!濃厚なトークイベントやグッズなどを用意
-
「ギルティギア」初のTVアニメ「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」4月5日放送開始!メインPVではソル、シン、ブリジットなどお馴染みのキャラ続々
-
ガンダムの試作バリエーション機「01ガンダム」も!「ジークアクス」第2話で活躍したメカ・キャラたちを一挙紹介
-
4月5日放送の「ギルティギア」初TVアニメ「GUILTY GEAR STRIVE: DUAL RULERS」シンやソルたちの雄姿を熱い主題歌でダイナミックに描くオープニング映像公開
-
【オトナの乙女ゲーム道】第1回 乙女ゲームの歴史を振り返る ― ネオロマからオトメイト、ハードの変化まで