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【GDC2010】DSiで現実拡張を楽しむ『GHOSTWIRE』メイキング

2010年にDSi専用タイトルとして発売が予定されている「GHOSTWIRE」に関する講演「GHOSTWIRE: Creating Augmented Reality Experiences on Nintendo DSi(DSi向け拡張現実ゲームの開発に関して)」が行われました。

ゲームビジネス 開発
【GDC2010】DSiでARを楽しむ『GHOSTWIRE』メイキング
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水曜日の午前10時より、2010年にDSi専用タイトルとして発売が予定されている『GHOSTWIRE』に関する講演「GHOSTWIRE: Creating Augmented Reality Experiences on Nintendo DSi(DSi向け拡張現実ゲームの開発に関して)」が行われました。スウェーデンで携帯電話向けのアプリケーションを作っている開発会社、A Different Game のCEO兼エグゼクティブ・プロデューサー、Tom Soderlund 氏によるセッションで、通常の1時間枠ではなく、限られた議題をシンプルに説明する25分枠での講演でした。



『GHOSTWIRE』は元はノキアの携帯向けに作られたアプリケーションで、携帯を「幽霊探知機」として使用します。実際に自分のいる部屋を携帯のカメラを通して見回すと幽霊が現れるので彼らとコミュニケートし、なぜ現世に留まっているかを聞き出し、その原因を見つけ出し、問題を解決して彼らを昇天(成仏?)させてあげるというゲームです。



既に携帯では大ヒット、2008年の Nokia Game Summit でも1位に選ばれていますが、DSiの機能がこのゲームに向いていることから今回の移植を決意したのだとか。

ゲームを作る上での大きなチャレンジとして、 カメラからの映像をリアルタイムに処理して本体の動きをトラッキングしますが、通常のARソフトのようにマーカーを使わないためトラッキングの精度を高めるための様々な試行錯誤があったそうです。実際には、フレーム内の映像の中央あたりをタイルパターンとして持ち、動きがあった際にそのパターンを探し、カメラがどの方向に動いたかを検知します。この際、タイルパターンの解像度を必要最低限のレベルまで落とすことで、処理速度の向上と精度のバランスを保ったそうです。



ゲームデザインに関しての課題は以下の3つ:

(1) Suspension of disbelief(ユーザーに不信感を与えない、リアリティを保てる題材を選ぶ)
「幽霊」という題材はこの課題を十分にクリアしてると考えています。最初のチュートリアルでユーザーに近くに物の無い空間を選んでもらうようにしていますが、仮にオブジェクトがあってそれを通り抜けてしまっても幽霊であれば違和感はありません。

(2) Robustness(モーションの精度を保つには)
モーショントラッキングのエラーを回避するために、幽霊の自由度をプログラム内である程度制限し、ある程度の距離と上下の移動幅の中に必ず収まるようにしています。これにより、難易度により多少の差はあるものの、ユーザーは必ず幽霊を見つけられます。



(3) Longevity(長く遊んでもらうには)
Augmented Reality(拡張現実)は確かに大きなフックですが、それだけではプレイヤーがすぐに飽きてしまいます。そのため、ARはあくまでもパズル、収集、探索、仕掛け、ミニゲームなどといったゲームを構成する要素の1つとして扱っています。



興味のある方は、是非彼らのウェブサイト、www.ghostwiregame.com にアクセスしてみて下さい。また、ツイッターでも情報をアップデートしているそうです。@ghostwiregame

通常の1時間セッションを聞き慣れていると「25-minute session」はどうしても説明不足に感じてしまう部分もありますが、逆に今まで「話したい事はあるが1時間も間が持たない」と思っていた開発者には良いニュースかもしれません。来年以降のエントリーが増える事を期待しましょう。
《今鳩越前》
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