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コーエーテクモホールディングス 松原健二社長に聞く

コーエーからコーエーテクモホールディングスへ・・・。4月に経営統合を果たし、新たに代表取締役社長に就任した松原健二氏は、ゲームメーカーの経営者であると共に、CESA副会長兼技術委員長として、CEDECを牽引するリーダーでもあります。

ゲームビジネス その他
コーエーテクモホールディングス 松原健二社長
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コーエーからコーエーテクモホールディングスへ・・・。4月に経営統合を果たし、新たに代表取締役社長に就任した松原健二氏は、ゲームメーカーの経営者であると共に、CESA副会長兼技術委員長として、CEDECを牽引するリーダーでもあります。

そんな松原氏に、同社の戦略を尋ねると共に、ゲーム業界全体としての問題意識や、CEDECに対する意気込みを伺いました。

コーエーテクモ松原社長


―――唐突ですが、「夏休み! 親子で楽しむゲーム講座」はおもしろい試みでしたね。

ありがとうございます。コーエーとして初めての取り組みで、不安な点もありましたが、まずは声をかけて始めたんです。正直、準備に手間がかかりましたが、約100名の親子連れに参加いただけました。機会があれば、またやりたいですね。

―――CEROレーティングの説明が興味深かったようです。

マークは知っていても、表現規制の内容については、なかなか知る機会がありませんからね。ほんのさわりだけでしたが、説明して、関心を持ってもらえたようでした。CESAでも業界団体として、倫理面の取り組みについての説明は継続的に行っていますが、地方自治体向けが中心です。エンドユーザーに直接というのは、なかなか機会がないんですよ。こうした活動は、こつこつとやっていかないと、いけないでしょうね。

―――ゲームの表現規制が注目されています。

世界的に規制が強化されつつある雰囲気は感じます。もっとも、一般常識や社会通念が時と共に動くのは当然のこと。私たちとしては、テレビゲームが安心できるコンテンツだということを、どのように伝えていくかが課題です。レーティングも大事ですが、それ以外のメッセージアウトも大事です。

―――親子で決めることが重要ですね。

一番怖いのは、親御さんのゲームリテラシーの欠如です。自分のお子さんがどんなゲームを遊んでいるのか、ブラックボックスになると良くありません。お子さんの背中越しに、ちょっと画面を見てもらって。どんなゲームを、どれくらい遊ぶのが良いのか、親子で話し合ったり、ルール決めをしてもらう環境作りをして欲しいですね。欲を言えば、そこから親御さんにもゲームのファンになってもらえば良いんですが。

―――コーエーの社長になって2年たちます。

あっという間でした。社長業は正直に言って、まだまだ奮闘中です。自分のスキルという点でも、会社の方向性という点でも、目標レベルまで到達していません。

―――最大のトピックスは?

やはり、テクモとの統合でしょう。去年の今頃はかけらも意識していませんでしたが。

―――今はどういうフェーズですか?

4月に経営統合して、6月に両社の各事業を束ねる統合役員を決めました。現在は日常のオペレーションと中期経営戦略の作成、それからシナジー効果をいかに出していくか、この3点に取り組んでいるところです。年末をめどに新しい御報告ができると思います。日々業務を進めながら、進めているところです。

―――両社の合併まで踏み込む可能性は?

同じゲームソフト事業や、オンラインモバイル事業などをやっているのに、バラバラのままでは統合した意味がありませんよね。この事業をどうやってまとめましょうか、というところからスタートしています。事業同士の連携も、できるところから進めています。組織改変は、その次の話です。

―――両社で開発の棲み分けはありますか?

それぞれ得意な分野をのばして、補えるところはサポートしあうのが基本ですが、棲み分けは特に考えていません。両社を足しても売上規模で400億円くらい。今はどうやって二つをくっつけて、伸ばすかを考える段階で、棲み分ける余裕はないでしょう。

―――海外子会社については?

それは逆にやりやすかった。もともとテクモは販社をあまり持っていませんでした。国内はコーエーネットが扱っているし、アメリカだけは両社ありますが、ヨーロッパと台湾、韓国はコーエーのみ。そこで、まずイギリスにあるKOEI LIMITEDを、TECMO KOEI EUROPE LIMITEDに改変して、テクモブランドのタイトルを扱うことにしました。欧州第1弾として『NINJA GAIDEN Σ2』を発売します。

―――今後も規模の拡大をめざしますか?

2012年3月で売り上げ700億円をめざす計画です。世界同時不況で影響は受けると思いますが、北米も欧州も非常に高い成長率を保持しています。日本にいるからといって同じ規模に留まっていては、相対的に負けてしまい、生き残っていけません。その根底には、世界ナンバーワンのエンターテインメントコンテンツプロバイダーになるというビジョンがあります。スケールをある程度増やしていくことは今後も続くでしょう。

―――注力している市場はありますか?

日本市場はこの10年間、ゲームソフトの市場規模が3千億円前後と横ばいが続いてきました。これをもう一段、上に伸ばすことは、ハードウェアも含めた、ゲーム業界全体の課題です。かたやワールドワイドで見ると、アメリカは8千億円市場で日本の約3倍。ヨーロッパも10年前は日本と同じ規模だったのが、約2倍に成長しました。そのため現時点で言うなら、海外市場できちんとビジネスをしていかないと、生き残れませんし、ビジョンにも近づけません。もちろん日本市場がこのままで良いというわけではありませんが、海外市場の強化は大きなテーマです。

―――秘策はありますか?

いや、あったら教えて欲しいですよ(笑)。コーエーでも「新しい柱の創造」と「海外ブランドの確立」が数年来のキーワードで、挑戦を続けていますが、一朝一夕には難しいですね。一方でテクモは「NINJA」「DEAD OR ALIVE」など、海外の売上本数の方が多くて、コーエーとは全然違うビジネスをしています。ここはもっと伸ばしていきたいし、コーエーでもノウハウを吸収していきたい。

―――交流などはありますか?

もう始めていますよ。コーエーのタイトルを北米のテクモインクに評価してもらうなどは、その一例です。テクモタイトルをTECMO KOEI EUROPEで扱うことで、欧州のディストリビューターの評価を直接テクモ側に返すこともできるようになりました。さらに、その評価をコーエー側でも参考にしたり。海外ではどのようなゲーム内容や仕様にすれば喜ばれるのか。どんなマーケティングやプロモーションが求められるのか。両社をまとめることで、総合的な見地から、海外での売り上げを伸ばしていきたいですね。

■新興市場への取り組み

《土本学》
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