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『ダンテズ・インフェルノ(仮)』に宗教団体が抗議……はEAの自作自演?

「地獄はゲームじゃない」……宗教団体はE3の会場の外で『ダンテズ・インフェルノ(仮)』に抗議しますが、実はEA自身が仕掛けたプロモーションであったようです。

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『ダンテズ・インフェルノ(仮)』に宗教団体が抗議……はEAの自作自演?
  • 『ダンテズ・インフェルノ(仮)』に宗教団体が抗議……はEAの自作自演?
「地獄はゲームじゃない」……宗教団体はE3の会場の外で『ダンテズ・インフェルノ(仮)』に抗議しますが、実はEA自身が仕掛けたプロモーションであったようです。

ベンチュラ郡から来たという13人の抗議グループは、EAの新作ゲーム『ダンテズ・インフェルノ(仮)』が十字架を武器にするなど宗教を冒涜していると主張。「EAは反キリストである」「地獄はゲームじゃない」「インフェル“ノー”(inferNo)」などと書かれたビラや看板で抗議運動を展開。グループの一人Matthew Francis氏は、リポーターに「自分たちは会場には入れないから、EAの経営陣に抗議のメッセージを伝えて欲しい」と頼んだと言います。

グループは抗議サイトを発表していますが、検索しても登録者の個人情報が表示されないDomains By Proxy社から登録されていることや、ゲームの動画やトレイラーへのリンクが多すぎるといった点から、LAタイムズは抗議活動が本物ではなくEAのプロモーションではないかとの疑問を提示しました。

団体の抗議サイト。ゲームに悪魔崇拝や性的倒錯が含まれており、地獄を冒涜的に賛美し人間の魂を腐敗させる悪意あるエンターテイメントであるとしている


この疑念は的中。AP通信の問い合わせに対し、EAのスポークスマンであるHolly Rockwood氏は、抗議グループがバイラルマーケティング(口コミを使った広告アプローチ)専門の会社から派遣されたスタントであり、これを雇ったのはEAであると認めています。

ゲームはよく抗議の対象とされます。
動物が出てくるサーカスゲームやFPS(一人称シューティング)が動物虐待としてされ、インド神話を題材としたゲームが神聖冒涜とされるなど、抗議とそれにまつわるニュースは常に大きな話題となります。今回の“宗教団体の抗議”はこうした反応に着目したものであるようです。

企業が個人サイト風に仕立てたBlogから情報を発信するなど、きわどいマーケティングが問題となっていますが、口コミにまつわる情勢は想像以上に混沌としたものとなっており、情報の受け手たる我々の選定眼が問われているといえるでしょう。
《水口真》
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