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「オンラインゲーム一週間」:『MHF』『キノスワールド』に見るゲームの現地化とジレンマ

夏の足音が着実に近づきつつある6月中旬は、ゲームの現地化(ローカライズ)に関するニュースがいくつか舞い込んできました。

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夏の足音が着実に近づきつつある6月中旬は、ゲームの現地化(ローカライズ)に関するニュースがいくつか舞い込んできました。

GMO Gamesは、オンラインゲーム『キノスワールド〜パジャマの騎士〜』において、徹底した日本化を行うと発表。キャラクターグラフィックを日本向けのものとするほか、ストーリーも変更、ヒロインを追加するなど日本プレイヤー向けの内容とします。

韓国NHNは、オンラインゲーム『モンスターハンター フロンティア オンライン』(MHF)韓国版において、公式サイトをオープン。武器ごとのプロモーションムービーに加え、「モンスターハンターの楽しさはなんですか?」といった基本的な部分から解説するFAQを用意、ゲーム内容の周知をスタートしました。

国が違えば感性が変わるのは当たり前のこと。どういった要素が受けるのかといった部分も国ごとに違います。開発規模的にワールドワイドを目指す必要があるオンラインゲーム界では、いかにローカライズするかが大きな課題となります。これまで試みられてきたローカライズは、大ざっぱに分ければ、元のテイストを可能な限り残す「プレーン型」、イメージビジュアルを日本人が手がける「イメージ現地化型」、かなりの部分に渡って現地化する「改修型」が存在します。

現時点で公開されている情報のみで乱暴に区分するのであれば、日本向けにビジュアルやシナリオ、インターフェースまでを変更する『キノスワールド』は「改修型」。日本版と同じビジュアルが使用される『MHF』は「プレーン型」といえるでしょう。「改修型」の場合は、どこまで元のゲームをいじることを許されるのかが問題となりますし、逆に「プレーン型」では原版となるゲームがいかに普遍的な魅力を備えているかが鍵となります。「改修型」を目指しつつもビジュアル面などで現地の流行を吸収しきれない、「プレーン型」であったはずが微妙に現地化して元のテイストを損なうというのが最もまずいパターンとなります。『キノスワールド』では日本ゲーム界というものへの理解が問われますし、『MHF』では大元のコンテンツに韓国プレイヤーが好むものが少ないのが課題となります。「二つの国が相争い、敵国のプレイヤーを倒すことで領土が拡張、よりよい狩場でアイテムやお金を稼げる」というのが黄金パターンで、PvP(プレイヤー同士の戦い)は外せない要素として認識されています。しかし『MHF』は日本的な協力のゲームであり、韓国でウケるような大規模攻城戦や、PK(他のプレイヤーに合意無く戦闘を仕掛けて倒すこと)は存在しませんし、これを入れてしまうと別物となってしまいます。最近日本版で実装された「狩人祭」は、参加猟団が二つのチームに分かれ、クエスト達成時に貰えるアイテムの合計数を競い合う……と大規模な対抗型イベントではあるのですが、相手プレイヤーを倒す訳ではありません。

「現地化とはいえ、ゲームを別物とすることが許されるのか?」これは海外ゲームを運営する上での大きなジレンマとなります。現実的なところとしては契約書に書かれた文言が示すラインということになるのですが、それでは「ゲーム」というものが少し軽い感じがします。どこまでが本質でありアートであり譲れない部分なのか。逆にどこまでを譲るべきなのか。「改修型」の『キノスワールド』と「プレーン型」の『MHF』、両者の対比はローカライズを考える上でのよい教材となるのではないでしょうか。
《水口真》
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