ゲームは、ゲームの軸となるストーリーが展開されるストーリーパートと、実際に手術を行う手術パートが、交互に現れるような構成になっています。
こう書くとアドベンチャー部分も相当あるように見えるかもしれませんが、プレイした限りで、ストーリー部分でプレイヤーが何か行動を選択できるわけではなく、キャラクターの台詞を読んでいくだけです。極論を言ってしまえば、そのストーリーを読まなくても、メインである手術パートのプレイにあまり支障はないのではないでしょうか。ストーリーは、あくまでアクション部分の背景を補完するものに過ぎない、という印象を受けました。
ストーリーパートが終わると、次は手術パートです。手術パートは(当然のことながら)下画面がメインとなっており、画面上にある、メスやピンセット等のツールを選んで手術を進めていくことになります。上画面では、キャラクターが指示やアドバイスをしてプレーヤーの手助けをしてくれます。
ですが、いつでも上画面でああしろこうしろとアドバイスをくれるわけではありません。以前に経験したのと同じ症状や状況になったとき、対処法を思い出して、以前と同じ決められた手順を使って対処することが要求されます。たとえば、切開するときには必ず「ヒールゼリーを塗る→メスでなぞる」、手術終了時には「糸で傷口をを縫う→ヒールゼリーで出血を抑える→包帯テープを張る」といった決まったパターンがあるわけです。そのパターンをプレイヤーが学習し、記憶していかなければなりません(今挙げた例は、ゲームの序盤で出てくるものです。一番最初に出てきたときは、上画面でレクチャーをしてくれます。ですが、先に進んでいくと、「覚えていて当然」とばかりに、自力で手順を思い出してプレイしないといけないようになります)。そういう意味でちょっと「プレイヤーをつきはなしている」という印象はあります。
このように手術パートを文字で解説しても伝わらないと思いますが、実はこのゲームはものすごく忙しいです。序盤はまだ普通ですが、ゲームが進むにつれてどんどん忙しくなっていきます。強制的に文字で表現するならば、「ここに注射してメスで切除して、あれ患者の体力が落ちてきた回復させよう、間違って血出ちゃったよヒールゼリー塗らなきゃ、やばいこれじゃ時間が足りないよ、次ピンセット!ピンセット!」といった風に、猛スピードで思考をめぐらせながら、これもまた猛スピードでタッチペンを動かしてプレイすることになります。基本的に、ゲームオーバーを繰り返して学習してクリアする形式で、学習して上手く(つまり手早く正確にできるように)ならないと本当にクリアできません。明らかにアクションゲームです。それもかなり硬派なアクションです。
手術のそれぞれの手順(メスで切る、ピンセットで取り出す等)をすると、「good」「bad」などの評価が表示され、最終的に手術終了時に手術全体のスコアとランクが表示されます。基本的に「早く美しく」処置ができれば高評価・高スコアが期待できます。ストーリー中でクリアした手術は、また選んでプレイすることができるそうなので、一度ストーリーに沿って全部クリアした後は、ハイスコアや最高評価狙いのやりこみプレイができるでしょう。ベスト評価を狙うなら、それこそ熟練した手腕になるまで繰り返してプレイして手を慣れさせなくてはならないと思います。
以上ゲーム内容を軽く解説しましたが、個人的には、マリオでたとえると「ストーリーパートがマップみたいなもので、手術パートがアクションステージ」といった印象です。ゼルダをプレイしていると「ストーリーいいから早くダンジョンやらせろ」と思ってしまうタイプの人間である私としては、ストーリーパートなくしてもいいのではないかと思ってしまいました(もちろんストーリーに熱くなれる人もいると思いますが)。つまり、手術だけでゲームが成立しているということです。手術アクションが完全なるメインです。しかもアクションゲームとしてだいぶ良くできていると思います。操作性も良好で直感的にプレイできます。(難しいというものとは別の)理不尽な判定もないです。難しくてもそれを乗り越えるのが面白いと感じる方や、DSのタッチペンをフルに使うアクションゲームをやりたい方には、満足できるゲームになるのではないでしょうか。
4月28日からこの『カドゥケウス』が「ニンテンドーDSダウンロードサービス」で体験版をプレイできるそうなので、気になる方はぜひ一度プレイしていただきたいと思います。こう長々とこのインプレッションを書いて、最後にこう書くのもおかしいですが、正直プレイしないとこのゲームのプレイ感覚やおもしろさはわからないと思います。ぜひ一度触ってみてください。
『超執刀カドゥケウス』の発売日は6月16日で、価格は5040円(税込)となっています。
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